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要注意!!スワップポイント狙いの恐ろしい3つのリスク

スワップポイントは、FXの大きな特徴の一つです。

高金利通貨のトルコリラやメキシコペソを取引して、スワップポイントを稼ぐ人も多いでしょう。

しかし、実はスワップポイントを目的としたトレードには、大きなリスクがあります。銀行の利息より高いからと安易に考えていると、思わぬ損失を被ることがあるのです。

この記事では、スワップポイントの基礎の基礎からスワップポイント狙いのトレードリスクについて、詳しく解説していきます。

では、さっそく始めていきましょう。

1.スワップポイントとは

16271478 - ballpoint pen resting on world currency figuresスワップポイントとは、2国間の金利差があることで得られる利益です。

低金利の国の通貨で高金利の国の通貨を買うと、そのポジションを保有している限り、毎日その金利差分がFX業者から支払われます。

例えば、日本円の金利が0.1%で豪ドルの金利が1.5%のときに、日本円で豪ドルを買えば(豪ドル円ロング)、差し引き1.4%の金利が得られることになります。

逆に豪ドルで日本円を買うと(豪ドル円ショート)、1.4%の金利を支払う必要があり、ポジションを持っている限り損をしていくことになります。

このスワップポイントはFX業者によって違うので、自分が使っているFX業者のホームページで確認してみてください。

2.スワップポイントの計算

例えば、豪ドル円を1万通貨ロングした場合、1年後いくらのスワップポイントを得られるのでしょう。

仮にスワップポイントが1日50円、日々の変動がないとすると、1年後には18,250円(50円×365日)となります。

現実には、スワップポイントは日々変動するので単純計算できませんが、明らかに日本の銀行に預けておくよりはいいわけです。

このように、ポジションを持ち続けている限り、確実にお金が貯まっていくということで、外貨預金感覚でスワップポイントを狙う個人投資家も多いのです。

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3.スワップポイントを狙った運用のリスク

22441919 - concept of problem and difficulty of a businessmanこう見ると、スワップトレードは安定してお金を増やしてくれる割の良い預金のように思われるかもしれません。

しかし、スワップポイントを狙いのトレードには、次の3つのリスクが潜んでいるのです。

3-1 金利の逆転

世界や国内の経済状況によって政策金利は変わります。今、受け取れるスワップポイントが将来どうなるかはわかりません。

例えば、通貨ペアの金利差が縮まることや逆転してしまうことは、十分に考えられることです。

そうなると、受け取る金額が少なくなったり、逆に支払わなければならないことになります。

世界や国内の経済状況によって金融政策は変わり、そして政策金利が変わります。その時々で、国同士の金利差というのは変わるのです。

今、高金利通貨だからといって、これからずっと高金利であるわけではありません。

例えば、豪ドルはかつて8%を超える政策金利でしたが。今では1.5%台です。下の図を見てもらえばわかるように、金利は動くのです。

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世界各国が低金利政策ですから、豪ドルの金利はまだ相対的に高いですが、今後は米ドルのほうが金利が高くなる可能性だってあります。

また、2019年3月時点では、ユーロは、日本よりも金利が低い環境にあります。

かつて円を売って高金利通貨を買う円キャリートレードが有名でしたが、今ではユーロを売って高金利通貨を買うユーロキャリーが主流になっています。

その時の世界の金融情勢によって、資金調達通貨は変わるということです。

3-2 マイナススワップ

スワップトレードは、長期的にポジションを保有するのが鉄則になります。

当然、その期間に金利の逆転があった場合、スワップポイントを逆に支払わなければならなくなります。

前述した豪ドル円の例でいくと、豪ドル円ショートであれば、金利1.4%分のスワップポイントを毎日支払う必要があり、ポジションを持っている限り損をしていくことになります。

3-3 為替変動リスク

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為替変動によって、スワップポイント以上の損失を被ることがあります。

例えば、豪ドル円を1万通貨ロングするとすれば、スワップポイントは、1年で18,250円(50円×365日)となります。

仮に2万通貨、4万通貨とポジションを増やすと、スワップポイントは倍々に増えていきますが、ここで注意すべきなのは、ポジション量を増やすと為替変動リスクも同時に増えていくことです。

為替変動によって、スワップポイント以上の損失を被ることがあるのです。

例えば、ポジションを持った時には豪ドル円が90円だったのに、為替変動によって85円になってしまったとしたら、為替差損は5万円ですから、スワップポイントを加味したとしても約3万円の損失となってしまいます。

このように、スワップポイント狙いの運用は、常に為替変動のリスクに晒されているのです。

4.スワップトレードの歴史

スワップトレードは、近年約10年でブームに火が付き、そして世界の経済環境の変化よって一つの終わりを見ました。

ここで、少しスワップトレードの歴史を振り返ってみましょう。

4-1 円キャリートレードの熱狂

27708415 - silhouettes of concert crowd in front of bright stage lights2006~2007年前半は、高金利通貨を買ってスワップポイントで利益を上げる円キャリートレード全盛の年でした。

その理由としては、

  • 円がゼロ金利政策で低金利に抑えられていたこと
  • オーストラリアやニュージーランドがインフレ抑制のために高金利であったこと

こういった金融環境が揃っていたのです。

当時の豪ドルの金利は6.25%、NZドルの金利は8.00%、円は0.00%でした。

NZドルでいえば円との金利差が8.00%もあり、NZドルを買うだけで、年利8.00%の金利がついていました。

しかも当時、日本ではFXはあまり一般的なものではなく、そのリスクも知られていませんでした。

  • とりあえず高金利通貨を買う
  • スワップポイント狙いだから損切りしない
  • 円安トレンドだから常に強気

そんな環境と日本人の金融知識のなさもありました。雑誌でもたくさんの特集が組まれ、日本中でスワップトレードが流行していたのです。

日本だけではなく、世界でも低金利の円を利用した円キャリートレードが流行し、レートはさらに円安方向へと進むことになったのです。swap-1

4-2 サブプライム住宅ローン危機

そして、2007年7月をピークに、高金利通貨が下落し始めます。これは、アメリカのサブプライム住宅ローンの問題が表明化したことが原因です。

サブプライム住宅ローン危機(サブプライムじゅうたくローンきき、英: Subprime mortgage crisis)とは、2007年末から2009年頃を中心としてアメリカ合衆国で起きた、住宅購入用途向けサブプライム・ローンの不良債権化である。サブプライム・ローンへの投資を証券化し金融商品として取引可能にした「サブプライム・モーゲージ(subprime mortgage)」は、金融市場で価格が下落するなどして、リーマン・ショックを代表例とする経済問題に発展した。(引用元:Wikipedia

2007年7月に107.7円の高値を付けた豪ドル円は、わずか3ヶ月の間に21円も値を下げて86円まで下落します。

それまで長い間円安トレンドだった為替相場が一転、急激な円高になったのです。

ここで、損切りを入れないスワップトレーダーは、ロスカットに追い込まれ、市場から退場していきました。これ以後、相場は不安定になり、大きな乱高下を繰り返します。

4-3 リーマンショックの衝撃

3798234 - newspaper headlines - financial crisis on 2008その後、2008年9月15日にアメリカの投資銀行リーマンブラザーズの破たんに端を発した世界的金融危機リーマンショックが起きることで、さらに犠牲者を生みました。

リーマン・ショックは、2008年9月15日に、アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破綻(Bankruptcy of Lehman Brothers)したことに端を発して、続発的に世界的金融危機が発生した事象を総括的によぶ。2007年のサブプライムローン(サブプライム住宅ローン危機)問題に端を発した米国バブル崩壊を切っ掛けとして、多分野の資産価格の暴落が起こっていた。リーマン・ブラザーズも例外ではなく多大な損失を抱えており、2008年9月15日(月)に、リーマン・ブラザーズは連邦倒産法第11章の適用を連邦裁判所に申請するに至る。この申請により、同社が発行している社債や投信を保有している企業への影響、取引先への波及と連鎖などの恐れ、及びそれに対する議会政府の対策の遅れからアメリカ経済に対する不安が広がり、世界的な金融危機へと連鎖した。日経平均株価も大暴落を起こし、9月12日(金)の終値は12214円だったが、10月28日には一時は6000円台(6994.90円)まで下落し、1982年10月以来26年ぶりの安値を記録した。(引用元:Wikipedia

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2008年7月に104.40円を付けていた豪ドル円は僅か3か月後の2008年10月に55円という値段を付けて底を打ちます。

この大暴落で、スワップ狙いのトレーダーは大きな損失を被りました。

5.まとめ

さて、ここまで

  • スワップポイントとは何か?
  • スワップポイントの計算の仕方
  • スワップトレードの3つのリスク
  • スワップトレードの歴史

を見てきました。

スワップトレードの歴史を見てみると、一種のバブルを見ているかのように思えてきます。環境が変われば、今後またスワップトレードが流行する時がくるかもしれません。

そのとき、また雑誌やニュースで騒がれるのだと思いますが、それに踊らされるのか、それをうまく活用するのかは、過去の歴史から何を学ぶかにかかっています。

私は決して、スワップトレードを全面的に否定しているわけではありません。

ただ、リスクを把握し、その上で自分が納得した投資を行うことが、多くの人が忘れがちなとても大切なことだとお伝えしたいだけです。

一つの教訓として、ぜひ覚えておいていただければと思います。

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