
そんな疑問に答えます。
トレードの収益を上げるために最も簡単で手っ取り早い方法。それは、トレードコストを見直すことです。
トレードの際に毎回かかっているコストを下げることで、収益は自然と上がります。
そして、FXのトレードコストは「スプレッド」です。スプレッドを見直すことで、あなたのトレードパフォーマンスは大きく変わります。
この記事では、FXのスプレッドとは何か?というところから、スプレッドを抑えるために何をすべきか?という具体的な方法まで詳しく解説していきます。
最後まで読んでいただければ、FXのスプレッドについて理解を深めることができるだけでなく、トレードコストをグッと抑えることができるようになるはずです。
ぜひ、最後までお付き合いください。
1.FXのスプレッドとは?
スプレッドとは、”広がること”や”値幅”という意味があり、金融用語としては次の2つの意味があります。
・株式、債権、コモディティ等の価格や利回りの差
・FXの通貨ペアの提示レートの差
ここでは、後者について説明していきます。
まずは、前提知識として
- 売るときの価格 → Bid(ビット)
- 買うときの価格 → Ask(アスク)
と呼びます。
そして、スプレッドは、Bid(ビット)とAsk(アスク)の差を言います。
スプレッドは、実質的にFX業者の取引手数料となっています。よく売買手数料無料とは謳っているのですが、実際にはこのスプレッドがFX業者の収入源となっています。
トレードする側からすると、スプレッドは当然狭い方がいいということになります。
スプレッドは、個人とFX業者の取引だけではなく、銀行と銀行、つまり、インターバンク市場(銀行間取引)においても存在します。
実際、ニュース番組のキャスターが、「為替は1ドル110円20銭から25銭で取引されています」と言うのを聞いたことがあると思います。
これは、このレンジで為替レートが推移しているという意味ではなく、単純にBidとAskを読み上げているだけです。
この場合でいうと、Bidが120.20円、Askが120.25円という意味になります。
スプレッドは、常に一定というわけではなく、市場の流動性によって大きく変わります。例えば、5pipsのときもあれば、時には100pips以上広がることもあります。
一般的に、多くの人が活発に取引するような流動性の高いメジャー通貨はスプレッドが狭く、あまり活発に取引されないような流動性の低いマイナー通貨は、スプレッド広くなる傾向があります。
2.スプレッドという名のトレードコスト
スプレッドは、FX業者によって違いがあります。
トレードの上手さに関係なく、トレード収益に大きく影響しますから、トレードをするなら、絶対に押さえておくべき重要な要素です。
スプレッドによって、トレードコストがどれくらい違ってくるのか、少し具体的な例で見てみましょう。
(A社のスプレッドが2pipsの場合)
2pips(スプレッド)×1万通貨(取引量)=200円(トレードコスト)
この場合、トレードコストとして200円を業者に支払うことになります。
(B社のスプレッドが0.5pips銭の場合)
0.5pips(スプレッド)×1万通貨(取引量)=50円(トレードコスト)
この場合、トレードコストとして50円を業者に支払うことになります。
この例では、B社でトレードするだけで、150円のコスト圧縮になります。
これをわずかな金額と思うのかどうかは個人によりますが、トレード回数や取引量が増えれば増えるほど無視できないコストになります。
例えば、月に10万通貨トレードするなら1,500円になりますし、月100万通貨トレードするなら15,000円の違いとなります。
スプレッドがトレードコストであることを最もよく実感する時がポジションを持った直後です。
私たちがポジションを持った直後は、損益はだいたいマイナスになると思います。
これは、ポジションを持った直後はスプレッド分の含み損を抱えるからです。
実際、トレードはゼロからのスタートではありません。マイナスからのスタートなのです。
実は、我々は勝負がスタートした時点から不利な状況を強いられています。
もし、仮にあなたが勝率50%でリスクリワード比1:1という状況なら、収支は必ずマイナスになります。
3.取引量とトレード回数
ここまで、スプレッドとはトレードコストであり、トレーダーにとって決していいものではないということがわかってもらえたと思います。
次の2つのケースの場合、スプレッドの影響が大きくなってしまうので注意が必要です。
- 取引量を増やした場合
- トレード回数を増やした場合
仮に100万通貨の取引をした場合を考えてみましょう。
(A社のスプレッドが2pipsの場合)
2pips(スプレッド)×100万通貨(取引量)=20,000円(トレードコスト)
この場合、トレードコストとして、20,000円をFX業者に支払うことになります。
(B社のスプレッドが0.5pips銭の場合)
0.5pips(スプレッド)×100万通貨(取引量)=5,000円(トレードコスト)
この場合、トレードコストとして、5,000円をFX業者に支払うことになります。
1万通貨であれば、わずか150円しかない差も100万通貨になるとその影響は100倍になります。
これは、トレード回数を増やした場合も同様です。
仮にトレード回数を2倍増やすとすると、スプレッドの影響は2倍になります。
スプレッドは、FX業者を選ぶ際の重要な判断材料となります。
4.原則固定の罠
今では、スプレッドについて、「原則固定」を掲げるFX業者がほとんどです。これは原則的に固定したスプレッドで取引できるという意味です。
原則固定のスプレッドというのは、変動に比べ割高になりがちです。これは、スプレッドの中に「原則固定とするためのの保険料」が入っているからです。
しかし、あくまで原則は原則。例外もあります。
例えば、
- 流動性の低い時間帯(早朝など)
- 金融市場の休場日
- 主要経済指標発表時
- 震災などの天変地異や政変
- 金融・経済関連の重大な出来事
- 海外のクリスマス休暇や年末年始の期間
など、上記のような、流動性が低くなる場合や売りと買いが一方的になる場合には、スプレッドは広がります。
スプレッドが広がることで、大きな損失を被ることもありますから、その辺に注意が必要です。
5.スプレッドを抑える5つの方法
先ほど言ったとおり、
- 流動性が低くなる場合
- 売りと買いが一方的になる場合
この2つの場合には、スプレッドが広くなります。
これを意識して、ここからは、スプレッドを抑えるための5つの方法をご紹介します。
①メジャー通貨をトレードする
まず、1つ目が、メジャー通貨をトレードすることです。
一般的に、メジャー通貨は流動性が高いため、スプレッドが狭くなり、マイナー通貨は流動性が低いため、スプレッドが広くなる傾向があります。
スプレッドは、狭ければ狭いだけトレードに有利ですから、トレードをするならメジャー通貨をトレードすべきです。
マイナー通貨をトレードする場合は、
- なぜこの通貨ペアでトレードすべきなのか?
- トレードコストを支払ってまで、トレードする価値があるのか?
これを自身に問いかけてからトレードを行うべきです。
②流動性の低い時間帯はトレードしない
2つ目が、流動性の低い時間帯はトレードしないことです。
海外の祝日、クリスマス休暇、NYクローズ、月曜日の朝など、海外市場が閉じている日や市場参加者が少ない時間帯では、極端に流動性が低くなります。
このような流動性が低い時は、スプレッドが広がるリスクが増大します。
このような時に、わざわざトレードする必要はありません。
テクニカルがうまく機能せず、イレギュラーな値動きになりやすいので、こうした日や時間帯は、できる限りトレードを避けるようにしましょう。
③指標発表直後にトレードしない
3つ目が、指標発表直後にトレードしないことです。
重要な指標発表直後は、一気に流れができて、スプレッドが急激に拡大することがあります。
特に、米雇用統計やFOMCなど注目されるビックイベントには、スプレッドが大きく広がります。
このような状況下では、どこで値を掴まされるかわからないので、できる限り発表直後はトレードを控えるべきです。
④トレード回数を減らす
4つ目が、トレード回数を減らすことです。
トレード回数を減らすことも、トレードコストを減らすためにはとても大切なことです。
早く儲けたいと思うと、どうしてもトレード回数が増えてしまうものです。トレード回数を増やすとトレードコストも同時に増えてしまうことをしっかり認識しておきましょう。
また、スキャルピングだと、どうしてもある程度トレード回数が必要になってきます。スキャルピングをするなら、まずはスプレッドの低いFX業者をとことん探してみることです。
⑤スプレッドの狭いFX業者でトレードする
最後の5つ目がスプレッドの狭いFX業者を使うことです。
これが、トレードコストを下げるために最も簡単でかつ根本的な解決法です。
FX業者を選ぶ際は、取引できる通貨ペアや発注システムの使用感。会社の信用性やスワップポイントなど、さまざまな要素があると思いますが、まずは、スプレッドに最も気を使いましょう。
私が使っているFX業者を一応載せておきます。メジャー通貨のスプレッドが狭いのでおすすめですよ。≫ヒロセ通商
6.まとめ
さて、ここまでスプレッドとは何か?というところからスプレッドを抑える方法まで見てきました。
スプレッドを抑えるための方法としては、
- メジャー通貨をトレードする
- 流動性の低い時間帯はトレードしない
- 指標発表直後にトレードしない
- トレード回数を減らす
- スプレッドの狭いFX業者でトレードする
この5つの方法がありましたね。
どうしてもトレードというと、トレードロジックや手法にばかりが注目されがちですが、スプレッドを始めとするトレードの構成要素一つ一つが、実はパフォーマンスに大きく影響してきます。
ぜひ、その一つ一つの構成要素を意識的に分解し、検証、改善を繰り返し、トレードの精度を高めていってください。
今回の記事は、その要素の一つであるスプレッドについての解説でした。この記事が、あなたのトレードのお役に立てたら幸いです。