- 自分に自信がないから、違うと思っても相手の意見をそのまま受け入れてしまう・・・
- 職場での人間関係に悩み、毎朝、起きるたびに憂鬱な気分になる・・・
- 常に苛立ちを感じ、小さなことですぐにキレてしまう・・・
- 他人の目を気にしてしまい、行動が遅い・・・
これらの悩みの多くは、セルフイメージに起因しています。セルフイメージとは、自分が思っている自分に対するイメージを言います。
このような悩みは、自分自身に対するイメージを変えない限り、解消されることはありません。
多くの人が自分への思い込みによって苦しめられています。
例えば今、自分が上手くいかないのは、
- 能力が低いから、上手くいかない
- 才能がないから、上手くいかない
- 努力が足りないから上手くいかない
そんな思い込みを持っています。
しかし、実際には能力が低いわけでも、才能がないわけでも、努力が足りないわけでもないのです・・・。
心豊かに幸せな人生を送るためには、ある「秘密」があります。そして、この秘密について、理解できれば、自身の人生をコントロールできるようになります。
自分で自分の人生を自由に変えることができるのです。
今回、その「秘密」について、お話しをしていきます。あなたの人生を変えるとても重要なお話になりますから、ぜひ最後までお付き合いください。
「外側の顔」と「内側の顔」
ドクターモルツは、今から50年以上も前のコロンビア大学の教授です。
このドクターモルツは、私達が思っているような顔だけではなく、内側の顔、つまり、心の顔があると考えました。

この心の顔とは、「自分で自分のことをどういうふうに考えているのか」、「自分をどんな人間だと思っているのか」ということで、セルフイメージと呼びます。
例えば、
- 自分は自信を持っている人間なのか?
- 自分は仕事ができる人間なのか?
- 自分は人前でしゃべるのが得意な人間なのか?
- 自分は人気がある人間なのか?
- 自分はモテる人間なのか?
そんな、自分自身に対する思い込みです。
そして、セルフイメージは目標達成と深い関係があります。なぜなら、セルフイメージは今後のあなたに訪れる未来そのものだからです。
あなたにこれから訪れる未来は、あなたが思っているようなセルフイメージどおりになります。そうなるように、あなた自身が無意識のうちに行動していくからです。
ですから、あなた自身、セルフイメージ以上の人間になることはできませんし、セルフイメージ以下の人間になることはできません。
つまり、あなたの未来はあなたのセルフイメージに支配されているのです。
人は、これまでの過去の経験や失敗、成功体験、他人の反応などから、無意識のうちにセルフイメージが作られます。
一度、自分のセルフイメージができてしまうと、人はそれを真実と錯覚し、そのセルフイメージどおりの行動をしていきます。セルフイメージどおりの人間になろうとするのです。
例えば、自分は仕事ができないと思っていたとしましょう。

自分が仕事ができないという客観的事実から仕事ができないというセルフイメージを持つのではなく、自分が仕事ができないセルフイメージを持っているから、仕事ができないよう行動してしまうのです。
繰り返しますが、セルフイメージがあるから、それに合った行動を人はします。
行動からセルフイメージが作られるのではなく、セルフイメージから行動が生まれるのです。
これを証明した有名な実験があります。
伝説の監獄実験
1971年8月14日から1971年8月20日までの7日間に渡って、スタンフォード大学の心理学部で、心理学者フィリップ・ジンバルドーの指導の下、ある実験が行われました。
その実験は、刑務所を再現し、肩書や地位を新たに与え、人がそのとおりの行動をするのかを検証するための実験でした。
まず、新聞広告などで普通の大学生など21人を集めました。その中から看守役として11人、受刑者役として10人に分け、それぞれに役割を与えたのです。
最初は、参加者同士「何もないまま実験を終わらせよう」というような穏やかな雰囲気でしたが、次第に状況が変わっていきます。
徐々に看守役は、凶暴性を帯び、受刑者役は、卑屈な態度になっていったのです。

時間が進むにつれ、錯乱する受刑者役も出始め、実験の中止を要求する人も出始めましたが、ジンバルドーは、実験を止めず続行しようとします。
結局、受刑者役の家族達が弁護士を連れて中止を訴え、2週間行う予定だった実験は、わずか7日間で中止となりました。
実験が中止に追い込まれるほどの異常事態となったのですが、驚くべきことに看守役となった人は「話が違う」と実験を続けることを希望したというのです。
この実験で、看守役になると自らを看守と思い込み、看守らしく振る舞い、受刑者役になると自らを受刑者と思い込み、受刑者らしく振る舞うことが証明されました。
わずかな時間で、役割どおりの人格へと変わってしまったのです。
決して、看守役の人間は、本物の看守になったわけでもなく、受刑者役は、本物の犯罪者になったわけではありません。
そして、看守役の人間は特別に残虐な性格を持っていたわけではなく、受刑者役も卑屈な性格だったわけではありません。
元々の性格、環境、人格、能力、地位に関係なく、与えられた役柄によって、その役柄どおりの人間になってしまったのです。
つまり、この実験によって、行動の結果としてセルフイメージができるのではなく、セルフイメージによって行動が生まれることが証明されたのです。
未来は自分が決めることができる
もし、行動からセルフイメージが形成されるのではなく、セルフイメージから行動が生まれるということを知らなければ、今、自分が上手くいかないのは、
- 自分に能力がないから・・・
- 自分に学歴がないから・・・
- 自分は努力が足りないから・・・
そんなふうに、自分を評価したり、責めたり、もっとがんばらなければならないと思ってしまうでしょう。

しかし、それは的外れな思い込みです。
私たちの心に描くイメージが一瞬一瞬の小さな決断を下し、一日を決め、そして、人生を決めています。
セルフイメージが人生の舵を握っている。これは、ある意味素晴らしいことです。なぜなら、セルフイメージを変えることで人生が変わる、これから訪れる未来が変わるということだからです。
例えば、「こういう自分になりたい」そんな理想の自分像があったとすれば、それをセルフイメージにできれば、そのような人間になれるということです。
では、自分が思い描く理想どおりの人間になるためには、どうすべきなのか?
それは次の8つのステップを踏むことで達成されます。
- 理想のセルフイメージを思い描く
- 今のセルフイメージに気づく
- 理想のセルフイメージを持っている人はどういう行動をとるかを想像する
- ③の行動をとり、小さな成功体験を積み増す。
- セルフイメージが定着する
- 自然と行動ができるようになる
- 更にセルフイメージが強化される
- セルフイメージどおりの人間になる。
このような流れで、理想のセルフイメージを獲得し、強化していきます。このステップの中で特に重要なのが③と④のステップです。
具体的な行動をすることで、小さな成功体験を積み増し、セルフイメージを定着させるのです。
あなたはどんなセルフイメージを 持っている?
あなたは自分で自分のことをどう思っていますか?
ここまで見てきたように、今のあなたはあなたが作ってきたセルフイメージでできています。あなたのセルフイメージが今のあなたを作っているのです。

ですから、あなたのセルフイメージを書き換えることで、あなた自身が変わり、現実を変えることができます。
そのためには、
- 理想の未来をより明確にすること。
- 目標までのプロセスを小さく具体的にすること。
これを意識することです。
行動することで、セルフイメージも書き換わり、既定の未来は理想の未来へと自然と舵が切られます。
未来への臨場感、つまり、リアリティが大切です。
現実離れしたセルフイメージはリアリティがありませんから、真に自分がそうだと思うことが出来ません。臨場感を高めるために、行動をし、小さな成功体験の実績を作り、自分でも確信を得なければなりません。
頭で考えているだけでは現実は変わりません。行動に移してこそ、セルフイメージは強化され、一つ一つの決断が変わり、現実は変わります。
今、あなたはどんなセルフイメージを持っているでしょうか?