「思考は現実化する」
この言葉は有名なので、一度くらい聞いたことがあるかもしれません。
ナポレオン・ヒル著の「思考は現実化する」は、 1937年に発行以来、全世界で読まれている歴史的名著です。総発行部数は1億部とも言われ、80年以上経った今でも多くの人に読まれています。
「思考は現実化する」という言葉は、非常にポジティブで夢のある言葉です。
なぜなら、今の自分がどんな状況だとしても、理想的な未来を思い描けば、それがいずれ達成されるということだからです。
しかし、このポジティブで夢のある言葉によって、逆に多くの人が悩むことになりました。
心の中でいくら思い描き、強く望んでも、なかなかそれが現実化しないからです。
- お金が欲しい
- 成功したい
- 自由な生活を送りたい
こんなに強く願っているのに、現実は何も変わらないじゃないか!と。
現実を変えるためには、まずは「思考は現実化する」の本質を掴む必要があります。
今回は、その本質とそこに隠された罠、そして、罠を乗り越えるための4つのステップを紹介しています。
ご紹介するステップを実行してもらうことで、確実にあなたの理想の未来は現実化します。
あなたが思い描く理想の自分になるためにも、長年描いてきた夢を実現するためにも非常に重要な話になります。
ぜひ、最後までお付き合いください。
”思考は現実化する”の罠
ナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」の中で「起床直後と就寝前に、紙に書き出した目標や宣言を大きな声に出して読む」というものがあります。
しかし、例えば「年収二千万」と声に出しただけでは、それは現実化しません。自分の心の中でいくら強く望んでも、望むだけでは実現しないのです。
まったく変わらない現実を前に、”思考は現実化する”という言葉に否定的になってしまう人も少なくありません。事実、「思考は現実化する」を読んでも意味がないという人も多くいます。
しかし、「思考は現実化する」、この言葉自体、間違っているとは思いません。なぜなら、自分が思考できないような世界は、実現することはないからです。
自分の想定外のハプニングが起きない限り、自分のイメージできたものしか現実化しないし、自分のイメージ以上の成功というのは現実的に起こりえません。
成功は自らの確信にも似た予測の積み重ねによって得られる結果なのです。
思考が現実化する4つのプロセス
なぜ、「思考」するだけではダメなのか?
それをお話する前に、まず「思考が現実化する」プロセスについてお話ししなければなりません。
現実、つまり、「結果」は次の4つのプロセスを経てもたらされます。
それは、「思考→感情→行動→習慣」です。
思考が感情を生み、感情が行動を促し、行動が習慣を作ります。行動を習慣化できれば、自然と結果に反映されます。
このようなプロセスを経て、思考から始まり、最終的には習慣化され、成功が得られるということです。
これが、冒頭からお話ししてきた「思考は現実化する」の基本的原理です。
では、現実が変わらない人は、このプロセスのどこに問題があるのでしょうか?
それは、「感情」と「行動」の間です。「感情」と「行動」の間で止まってしまっているのです。
「感情」をその先の「行動」や「習慣」に繋げていかないと、いつになっても現実は変わりません。
なぜ現実化しないのか?
「感情」から「行動」に移すためには、行動に結び付けるための具体的なアイディアが必要です。
「自分のなりたい未来を想像して、感情が大きく動かされ、自分モチベーションが上がった。しかし、想像した未来に向け、どのような行動を具体的にすればいいのかわからない。だから、行動できないし、結果が出ない・・・」
これが現実化されない一番の理由でしょう。
そのために、行動するしかないくらい、具体的な行動指針を作るのです。
行動を生むためには、「具体的な行動指針」を「感情」と「行動」の間に入れてあげるのです。
現実化させる4つのステップ
さて、ここからは、実際の行動に移すための「具体的な行動指針」をどのように作っていくのかを考えていきましょう。
具体的な行動指針は、次の4つのステップで作ります。
STEP1 目標の明確化
まず、自分の目標を明確にしましょう。
例えば、次の6つの問いに答えることで明確にできるはずです。
- いつそれを達成するのか?(When)
- どこで達成するのか?(Where)
- 誰が達成するのか?(Who)
- 何を達成するのか?(What)
- なぜ達成するのか?(Why)
- どのように達成するのか?(How)
この問いにすべて答えてみます。このとき、できるだけ具体的に答えてみることを意識します。
STEP2 未来とのギャップの把握
次に、現状と望む未来とのギャップを把握します。これを2つの観点から見ていきます。
- 数値のギャップ
- スキルのギャップ
この2つです。
数値のギャップ
これは今と理想との間に数値の上でどれほど差があるのか把握することです。
例えば、収入を増やしたいと思っているのであれば、年収が理想と現実ではどれくらいギャップがあるのかを把握するのです。
数値化できれば、それが明確な目標となります。
スキルのギャップ
次に、目標達成に必要なスキルを考えます。
目標を達成するためには何かしらスキルを身に付けるが必要があるでしょう。それを明確にするのです。
例えば、収入を上げるために営業スキルだったとしましょう。営業スキルと言ってもまだ漠然としていますから、もう少しそのスキルはどのような要素で成り立っているのか考えます。
- コミュニケーションスキル(話し方、ボディランゲージ)
- 好印象を持ってもらうスキル(身だしなみ、清潔感、印象)
- 営業する商品の知識
こういったスキルや知識が組み合わさって営業スキルになっていることがわかります。
そして、この細分化された、スキルや知識がもし今の自分にないものだとすれば、それらを身に付けるためにどうすべきかを考えていきます。
STEP3 長・中・短期的な目標の設定
ここまで、自分の目標を詳細に設定し、今と理想の状態のギャップを把握した上で、自分にはどんなスキルや知識が欠けているのか、そして今後どんなことを身に付けていくべきか考えてきました。
行動に移すためには、まだぼんやりとしているはずです。今度はそれをより具体的で、より小さな目標にしていきます。
そして、今後1年でやること、1か月でやること、1週間でやること、今日やること、というようにやるべきことを明確にしていきます。
目標という大きくぼんやりしたものを目の前の作業レベルに小さくします。
どれくらい小さくするのかというと、「やることが具体的にイメージできるレベル」です。
例えば、今から1時間本を読もうとした時、1時間本を読むことをあなたはイメージできるはずです。
1時間後に何ページまで読んでいるのかはわかりませんが、確実に本を読んでいることはイメージできはずです。
人はイメージできないことを行動に移すことはできません。
例えば、知識を身に付ける、これだとぼんやりしていて何をしたらいいのかわかりません。
知識をどのように身に付けるのかを考えなければいけないからです。
- 1時間この本を読む(やることを明確にイメージできますよね?)
- この本の35ページから50ページまで読む(やることを明確にイメージできますよね?)
スムーズに行動に移すために、具体的にイメージできるくらいやるべきことを決めておく必要があります。
これを意識して長期・中期・短期的な目標を考えていきます。
- 長期目標・・・1年先達成したいこと
- 中期目標・・・1か月先達成したいこと
- 短期目標・・・1週間先達成したいこと
長期目標から順番に考えていき、長期目標を達成するための中期目標、中期目標を達成するための短期目標、そんな風に考えていきます。
最終的に1週間先の目標を達成するために今日何をすべきかまで落とし込んでToDoリストにします。
STEP4 論理の飛躍チェック
そして、STEP1からSTEP3までやってきたものの中に論理の飛躍がないかチェックしていきます。
つまり、非現実的な部分がないか確認するのです。現実にできないようなものは、行動に移せませんし、続きません。
最も良い方法は、人に話してみることです。なぜなら、自分で見逃してしまうようなものも、他人だと案外見つけてくれるからです。
また、自分が論理的に説明できないような部分には必ず無理があります。
目標を人に話すのは恥ずかしいという場合は、人に説明する前提で作ってみてください。
この4つのステップで具体的な行動指針ができました。あとはこれを実行していくだけです。
まとめ
では、まとめます。
- 思考だけでは現実は変わらない。
- 成功は、「思考→感情→行動→習慣」この4つのプロセスを経た結果としてもたらされる。
- 行動に結び付けるための具体的なアプローチがないから行動や習慣に結び付けることができない。
- 行動するための具体的な行動指針を作る
STEP1 目標の明確化
STEP2 未来とのギャップの把握
STEP3 長・中・短期的な目標の設定
STEP4 論理の飛躍チェック
実現困難な目標は、行動して習慣化して初めて達成されるものがほとんどです。
習慣化させるためには、最初の行動が必要であり、そのための具体的指針が必要です。
強く望んでさえいれば、いつか未来は変わる。
目標達成には、そんな受動的な態度ではなく、自らが全力で行動し、習慣化するための工夫をする、そんな能動的な態度が必要です。
ロジックを理解した上で、目標を達成させるためのプロセスを確実に踏んでいきましょう。