いいアイデアが出ない・・・
アイデアで仕事をしている人にとって、これはとても大きな悩みでしょう。
期限や納期が迫っている中、必死にアイデアを出そうと思っても、何も出てこない・・・
そんな悩みの中、ふと歩いている時や電車に乗っている時、お風呂に入っている時に突然アイデアが閃いた経験はないでしょうか?
机に座って必死に悩んでいても、なかなか良いアイデアは生まれないものです。
机の前では何も浮かばなかったのに、場面が変わると不思議とアイデアが浮かんだりするものです。
もし、自分のアイデアが生まれやすい場面を把握し、それを意図的に作ることができれば、アイデアが生まれる確率をグンと高めることができます。
この記事では、アイデアが生まれやすい9つの場面についてお話していきます。
意図的にあなたのライフスタイルに組み込むことで、より多くのアイデアを生み出せるようになるはずです。
では、さっそく始めていきましょう。
アイデアが生まれやすい場面とは?
まずは、こちらの動画を見てください。フリスクのCMです。
このCMは、アイデアはどのような場面で生まれるかという研究データに基づいて作られたものです。
このCMでは、アイデアが生まれる場面として、
- ベッド 22%
- 公園 18%
- 洗面所 7%
- トイレ 32%
- 風呂 29%
- バス 17%
- ステージ 1%
- 空港 4%
- プール 2%
- 会議室 0%
と紹介されています。
アイデアはリラックスしていて、ふとした瞬間に生まれるもので、アイデアを出そうと会議室でみんなで悩んでいるうちは何も生まれない。そんな皮肉の入ったCMです。
また、TEDではアイデアを生み出す場面について、作家のスティーブン・ジョンソンのこんなプレゼンがあります。
ここでは、アイデアが生まれる場所として、コーヒー店を挙げています。コーヒー店は、リラックスでき、多様なアイデアが生まれる場だと言うのです。
フリスクのCMと同様、会議室で行われる会議は、それぞれが考えてきたアイデアを擦り合わせているだけで、新たなアイデアは生まれにくいと言っています。
確かに、私自身の経験でも会議室よりは、通勤途中の車の中やお風呂の中、ぼーっと外を眺めている時だったりします。
日常生活の中には、アイデアが生まれやすい場面、生まれにくい場面があって、それはある程度、人種や世代を越えた人類全般に共通していることなのかもしれません。
「三上」と「創造性の4B」
アイデアが生まれやすい場面として有名なものに「三上(さんじょう)」と「創造性の4B」というものがあります。
三上(さんじょう)
11世紀の中国で活躍した政治家・文学者の欧陽脩(おうようしゅう)は、文章を考える適した3つの場面を「三上」という言葉で表現しています。
これは、文章を考える場面として残されたものですが、アイデアを生み出しやすい場面としても考えることができます。
三上とは、
- 馬上(ばじょう)
- 枕上(ちんじょう)
- 厠上(しじょう)
を言います。
馬上(ばじょう)
馬上とは、馬に跨っている状態です。馬に揺られ、外の景色を見ている状態です。
私達の今の生活で考えてみると、車やバス、電車に乗っている場面が一番近いでしょう。
適度な振動と移り変わる外の風景をぼーっと見ていることで、アイデアが生まれやすくなるということでしょう。
枕上(ちんじょう)
枕上とは枕の上。つまり、眠る前のベッドにいる場面です。
照明も薄暗く、ベッドの上は布団もあって暖かいため、リラックスできる状況と言えそうです。
厠上(しじょう)
厠上とは、用を足している場面です。これは、静かな空間に一人でいる場面というのがいいのかもしれません。
創造性の4B
次に、「創造性の4B」とは、アイデアが生まれる4つの場の共通の頭文字「B」から名付けられたものです。
Bathroom
これは、お風呂、トイレに入っている時です。トイレ中や入浴中は、心身ともにリラックスしている状況であり、アイデアが生まれやすいのでしょう。
お風呂といえば、古代ギリシャのアルキメデスが「アルキメデスの原理」を思いついたのも、お風呂だったそうです。
Bus
Busとは、乗り物に乗っている時です。これは、先程の三上の馬上と同じで、乗り物に揺られ、窓の外を見ながらリラックスしている状況というのがいいのかもしれません。
Bed
Bedとは、ベッドに入って寝る直前の場面ですから、三上で言う枕上と同じです。寝室には、落ち着いた照明とリラックスできる空間があります。
Bar
Barとは、お酒を飲むバーのことで、静かな空間で、ほろ酔い気分でリラックスしている場面です。
アルコールには、交感神経の働きを抑え、副交感神経の働きを促す効果があり、リラックスさせる効果があります。
アイデアが湧き出るおすすめの場面
ここまで、一般的に有名なアイデアが生まれやすい場面をご紹介してきました。
ここからは、私自身が実際に生活の中でアイデアを生み出す場面として考えている5つの場面をご紹介します。
歩いている時
よく私は考えに行き詰まると、机の周りをウロウロと歩き回ります。また、気分を変えたいと思った時には外に出て散歩をします。
軽い運動はアイデアを出す有効な方法です。
体を動かすことで、心のバランスを整える神経物質である「セロトニン」が分泌されると言われています。
セロトニンは気分や集中力を高める効果があります。脳内でセロトニンが増えると心が落ち着き、集中力が高まるのです。
また、有酸素運動を行うことで、ストレスの原因であるストレスホルモンが分解されます。このような複合的な効果によって、アイデアが出やすい状態になると考えられます。
入浴後
「創造性の4B」でも紹介されているように、入浴中は確かにアイデアが湧き出る場面だと思います。
ただ個人的には、入浴中よりもその後、お風呂から出て、体を拭き、着替えている時、髪を乾かしている時にもよくアイデアが浮かびます。
入浴により、血行が良くなり、脳の働きが活発になります。入浴によって得られるリラックス状態が続いているからなのかもしれません。
ドライブしている時
ドライブしている時によくアイデアが生まれるものです。これは「三上」でも「創造性の4B」でも言われていることです。
できるだけ、混み合わない道を選ぶのがコツです。
また、運転中にはアイデアが出たとしてもすぐにメモをとることができません。
ですから、私はアイデアを出したい時、ボイスレコーダーを持ってすぐに録音できるようにしてから車に乗るようにしています。
皿洗いをしている時
私は、皿洗いが好きなのですが、皿洗いをしている時にもよくアイデアが生まれます。
お皿の汚れが洗い流されるとともに、心も洗い流されるような気持ちになって、気持ちがいいと感じるのもありますし、お皿を洗うという単純作業がいいのかもしれません。
ひげを剃っている時
実は、私が最もよくアイデアが出る場面は、「ひげを剃っている時」です。
朝、鏡に向かってひげを剃っている瞬間にさまざまなアイデアが生まれます。
これらに共通するのは、リラックスしている時であり、集中力を必要としない時であるということです。
アイデアを出そうとがんばるのではなく、何も期待せず、何かしら手や足を動かしながら作業をしていると、ふとアイデアが生まれるものです。
一瞬のひらめきを記録する
さて、ここまでアイデアが生まれやすい場面について見てきましたが、何か新しいアイデアが生まれた時、それをすぐメモする習慣をつけましょう。
アイデアが生まれる時、それは脳内で神経細胞が発火している瞬間です。一瞬火花が散るようなもので、それをすぐにメモしなければ、そのアイデアは一瞬で消えてしまいます。
アイデアが生まれる時、これは「アハ体験」とも呼ばれます。
アハ体験は、たった0.1秒ほどのわずかな時間で脳の神経回路がつなぎ変わり、世界の見え方が変わるという現象です。
このつなぎ変わった新しい回路は放っておくと、わずか30秒~60秒程度で元に戻ってしまいます。
もし、生まれたアイデアを生かしたいのであれば、この脳内の発火を絶対に逃してはいけません。すぐにメモを取れるようにしておきましょう。
スマホでメモをする人も多いかもしれませんが、私自身、スピードと図を自由に書ける点でメモ帳をおすすめしています。
また、アイデアをメモ帳に書くだけではなく、そのアイデアを実際に使えるようにしなければ意味がありません。
アイデアが出た瞬間にメモ帳に書き、1日の終わりにその生まれたアイデアをまとめ、具体的な行動指針を作る時間を持つことです。
メモ帳を常に持ち歩き、アイデアをメモし、そしてまとめることをルーティンにすれば、日々のアイデアを確実に活用することができます。
参考までに、私が使っているノートをご紹介します。
【常時持ち歩く用】
↓↓↓
ロルバーン ポケット付メモ (L)【オレンジ】 500055-144
【一日のまとめ用】
↓↓↓
Amazonベーシック ノート クラシックノートブック Lサイズ 無地
まとめ
ここまでアイデアが生まれやすい場面についてお話してきました。
まとめると次の9つの場面になります。
- 乗り物に乗っている時
- 寝室でゆっくりとしている時
- トイレに入っている時
- ほろ酔いの時
- 入浴中
- 入浴後
- 歩いている時
- 皿洗いをしている時
- ひげを剃っている時
これらを見てみると、いくつか共通のキーワードがあるようです。
- リラックスしている場面
- 一人きりの場面
- 体が揺られている場面
- 外の景色を眺めている場面
- 習慣化された作業をしている場面
- 静かな場面
こういった場面を自分の生活の中で見つけることができれば、アイデアを出しやすい場面を意図的に作ることができます。
いろいろ試してみて、あなたなりの場面を見つけてみてください。
あなたのライフスタイルに組み込んでもらうことで、アイデアを生み出す確率は飛躍的に上がります。
まず、これからあなたがすべきことは、
- アイデアが生まれやすい場面を把握すること
- 考えるテーマを事前に決めておくこと
- メモ帳を常に持ち歩くこと
たったこれだけです。
自分はどんな場面だとアイデアが出やすいのか、その把握からまずは始めてみてください。