
あなたは、こんな疑問を抱いていませんか?
自分に合ったトレードスタイルを確立することは、継続的に収益を上げるためにとても大切なことです。
しかし、トレードスタイルを確立するためには、多くの時間がかかります。
なぜなら、自分の性格やライフスタイルに合わせて、時間と試行錯誤を積み重ねて作り上げていくものだからです。
トレードスタイルを確立できなければ、行き当たりばったりの継続性のないトレードの繰り返しとなってしまいます。
この記事では、自分に合ったトレードスタイルを見つける5つのステップをご紹介します。
まだトレードスタイルを確立できていない方を想定して書いた記事です。ご紹介する5つのステップを踏むことで、自分に合ったトレードスタイルを見つけることができるはずです。
ではさっそく始めていきましょう。
1.【FXのトレードスタイル】自分に合ったスタイルを見つける5つのステップ

まず、なぜ自分に合ったトレードスタイルが大切なのか?を整理したいと思います。
なぜ、自分に合ったトレードスタイルを考えなければならないのか?
それは、トレードは「継続性」がとても大切だからです。
当たり前の話ですが、たった1日のトレードで目標金額を稼ぐことはできません。もちろんレバレッジを効かせれば、できなくもないかもしれませんが、それはリスクの取り過ぎです。
リスクを抑えながら、継続的に収益を上げ続けることがとても大切になります。
その際に重要なのが、トレードスタイルが自分に合っているかどうかです。
例えば、
- ライフスタイルに合っていないため、いつも睡眠不足
- 自分の性格に合っていなくて、トレードするのが苦痛
- 時間が足りなくて、トレードする時間を確保できない
など、トレードスタイルが自分に合っていないと、肉体的にも精神的にもキツくなります。
トレードは継続性が大切であり、その継続性を保つためには、今の自分が無理なく続けることができる環境や仕組み作りが大切だということです。
それでは、いよいよ自分に合ったトレードスタイルを見つける5つのステップをご紹介します。
ご紹介する5つのステップは、次のとおり。
- 【STEP1】トレードスタイルの種類を把握する
- 【STEP2】トレードスタイルの違いを把握する
- 【STEP3】取引時間の特性を把握する
- 【STEP4】自分の目標を把握する
- 【STEP5】トレードに割ける時間を把握する
それでは、一つ一つ詳しく解説していきましょう。
【STEP1】トレードスタイルの種類を把握する

STEP1は、どのようなトレードスタイルがあるのか?その種類を把握することです。
トレードスタイルを厳密に定義付けするものはありませんが、大きく分けて、次の4つのトレードスタイルに分類することができます。
- スキャルピング
- デイトレード
- スイングトレード
- 長期トレード
下になるにつれてポジションの保有期間が長くなります。それぞれのトレードスタイルの中身について詳しく見ていきましょう。
スキャルピング
スキャルピングは、売買差益を狙う、超短期のトレードスタイルです。
ポジションの保有期間は、とても短く、数秒から数分、長くても1時間以内で取引を終えます。
数pipsの薄利を積み上げていくスタイルですから、トレード回数が多くなる傾向があります。
また、瞬間的なトレードになりますから、トレード中は、ずっとモニターに張り付かなければなりません。
デイトレード
デイトレードは、売買差益を狙う短期のトレードスタイルです。
ポジションを保有するのは、数分から数時間。長くても1日のうちに取引を終えます。
数10pipsの薄利を積み上げていくスタイルで、基本的にトレード中は、モニターを監視する必要がありますが、注文を出しておいてトレードすることも可能です。
スイングトレード
スイングトレードは、売買差益を狙う中期のトレードスタイルです。
ポジションを持っているのは、数時間から数日。長くても1、2週間で決済します。
長くポジションを持っていますから、多くのpips数を獲得する必要があります。
トレード中、ずっとモニターを監視している必要がないので、トレード時間を確保できないという人でも取り組みやすいトレードスタイルです。
長期トレード
長期トレードは、売買差益とスワップポイントを狙う長期のトレードスタイルです。
ポジションの保有期間は、数週間以上で、ポジションの保有期間が長くなるため、数100pips数を獲得する必要があります。
リスクを抑える必要があるので、持てるポジション量は少なく、トレード機会も少ないため、大きく資金を増やすのは難しいスタイルです。
1日、もしくは数日に1回のレートチェックでポジション調整するなど、チャートをほとんど見なくてもいいのが特徴です。
【STEP2】トレードスタイルの違いを把握する

STEP2は、トレードスタイルの違いを理解することです。
トレードスタイルを4種類ご紹介してきましたが、それぞれのトレードスタイルには、どのような違いがあるのか?
6つの観点からトレードスタイルの違いを分解し、自分に合ったトレードスタイルを考えていきましょう。
なお、ここからは、長期トレード以外(スキャルピング、デイトレード、スイングトレード)を短期トレードと表現させていただきます。
①テクニカル分析とファンダメンタル分析

短期トレードと長期トレードでは、トレード判断をするための分析方法が違います。
短期トレードでは主にテクニカル分析を、長期トレードでは主にファンダメンタル分析を行います。
短期トレードでは、短期で取引を終えますから、細かいファンダメンタル分析はあまり考慮する必要がありません。
その代わり、チャートで売り買いの偏りで売買戦略を立てるテクニカル分析が重要になります。
逆に、長期トレードは、長期的なトレンドを予測するため、ファンダメンタル分析が重要になってきます。
ファンダメンタル分析については、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ読んでみてください。
≫参考:テクニカル分析とファンダメンタル分析、どちらでトレードすべきなのか?
≫参考:相場を10倍深く理解するファンダメンタル分析入門
②為替差益とスワップポイント

FXで収益を上げるためには、
- 為替差益を狙うトレード
- スワップポイントを狙うトレード
この2つのトレードがあります。
短期トレードは為替差益を、長期トレードは為替差益とスワップポイントを狙いにいきます。
また、短期トレードでは、為替差益を短期間でいくら獲れるかが勝負になりますから、ボラティリティがとても大切な要素になります。
そのため、ボラティリティのある「通貨ペア」「時間帯」を戦略的に選んでいく必要があります。
この辺については、次の記事で詳しく解説していますので、こちらをご覧ください。
≫参考:【重要】ボラティリティを意識したFXトレード戦略
≫参考:通貨ペアを選ぶ時に絶対に持つべき3つの視点
長期トレードでは、為替差益に加え、スワップポイントも重要な要素となります。
長期トレードで大切なのは、長期的な相場観です。
予測が難しい長期的な為替変動に加えて、二か国間の政策金利差を調整するスワップポイントも併せて戦略を練る必要があります。
為替レートと二か国間の政策金利の差、この二つは独立しているわけではなく、連動していますから、金利差縮小に伴ってスワップポイントが減少した上に、為替差損が出るなんてこともあります。
この変化の激しい昨今の金融市場の中で、為替差益とスワップポイントという2つの変数を長期的な観点から予測するというのは、なかなか個人では難しいと感じます。
なお、スワップポイントの基礎知識とそのリスクについては、こちら記事で詳しく解説していますので、併せて読んでみてください。
≫参考:FXのスワップポイントとは?【スワップトレードの重大リスクも解説】
③エントリーの執行足

トレードスタイルによって、エントリーで使う時間足は異なります。
明確な定義はありませんが、一例をご紹介します。
- スキャルピング・・・1分、5分足
- デイトレード・・・5分足~1時間足
- スイングトレード・・・1時間足~日足
- 長期トレード・・・日足~
執行足は何に違いが出てくるのかというと、
- チャートを監視する時間
- ストップ&エグジットの幅
これらに影響してきます。
チャートを監視する時間
例えば、1分足の執行足なら、1本のローソク足が確定するのが1分ですから、5本確定するまで、たった5分です。
5分という短い間で5本のローソク足が確定するわけですから、ずっとチャートを見ている必要があります。
対して、執行足が4時間足なら5本確定するまで20時間かかります。ここまでゆっくりな流れなら、ずっと相場を見ている必要はなく、一日に一回くらい見ればいいでしょう。
ストップ&エグジットの幅
使う時間足によって、ストップの幅は変わります。
なぜなら、単位時間が伸びることで、値幅も伸びる傾向にあるからです。一般的に時間足が長ければ、長いほどストップまでの幅も長くなります。
リスク量を固定する観点から言うと、執行足が長い時間足であれば、ストップまでの幅が広くなりますから、持てるポジション量は少なくなります。
逆に、執行足が短い時間足であれば、ストップまでの幅は短くできますので、持てるポジション量は多くなります。
④売買回数

一般的に、長期トレードはトレード回数が少なく、短期トレードはトレード回数が多くなります。
トレード回数が減ることは、メリットとデメリット両方があります。
メリットとしては、トレードコストが少なくなることが挙げられます。
一回のコストが小さかったとしても、トレード回数が増えれば、パフォーマンスには差が出てくるものです。
ですから、スキャルピングやデイトレードの場合、必然的にスプレッドが小さいFX業者を使う必要が出てきます。
デメリットとしては、ポジションを長く保有することで、新たな収益機会を逃してしまうということがあります。
リスク量ギリギリでトレードしていると、長期トレードの場合、いわゆる機会損失の場面が多くなります。
⑤運用目的

長期トレードの場合、トレード回数が少ないため、変動幅が少なく、資金を増やすのに時間がかかります。
緩やかな資産運用を目指すのであれば、それもいいのでしょうが、もっと大きく稼ぎたいと考える人にとっては、資金効率が悪く感じるかもしれません。
資金を最大限増やすには、
- 勝率を上げる
- 自己資金を増やす
- リスク量を上げる
- トレードコストを抑える
- トレード回数を増やす
- リスクリワード比を大きくする
この6つの要素を最大化する努力が必要です。
自分の運用目的に合わせ、これらを最大化するための施策を考える必要があります。
⑥トレードによる拘束時間

トレードスタイルによって、拘束時間は変わってきます。
スキャルピングやデイトレードは、基本的にトレード中にモニターに張り付いている必要があります。
逆説的な話ですが、瞬間的な売買目的とするスキャルピングが、最もモニターに張り付く時間が多くなります。
なぜならスキャルピングは、状況が刻一刻と変わる中で、瞬間的な売買をすることで利鞘を稼ぐスタイルだからです。
相場を監視し、最高のタイミングを待ち、エントリー、エグジットというように、常にレートを監視しながらアクションを起こしていく必要があります。
相場の変化にうまく対応し、狙った場面が来るのをずっと待ち、一瞬でカタをつけるのがスキャルピングです。
デイトレードも基本的にはモニターに張り付いている必要がありますが、スキャルピングに比べ、時間的余裕がありますから、アラームや注文方法を工夫することで、スキャルピングほど拘束されなくて済みます。
スイングトレードや長期トレードだと、しっかりとチャート分析をしておけば、1日に数分のレートチェック&ポジション調整でも十分です。
忙しい人にとっては、まさに最適なトレードスタイルと言えます。
【STEP3】取引時間の特性を把握する

STEP3は、取引時間の特性を把握することです。
相場の変動幅。いわゆるボラティリティは、取引時間によって特徴があります。
それは、各国の株式市場、債券市場、先物市場など、開いている時間が異なり、取引の中心となる通貨、プレーヤーが時間帯によって変わるからです。
スキャルピングやデイトレードなど短期売買をメインに考えている場合は、値幅がないと勝負になりませんから、相場が活発に動く時間帯を把握し、その時間帯でトレードする必要があります。
例えば、値動きが最も活発になる時間帯は、米国の午前中。日本時間で22時30分~24時(サマータイムの時は21時30分~23時)です。
この時間帯なら、日中に仕事している人にとってもトレードができる時間帯ですし、ボラティリティも十分ありますから、デイトレードやスキャルピングに最適です。
もし、デイトレードやスキャルピングをやっているなら、ぜひ、この時間帯に合わせてトレードすることをおすすめします。
取引時間による値動きの特徴については、次の記事で詳しく解説していますので、ぜひこちらをご覧ください。
【STEP4】自分の目標を把握する

STEP4は、自分の目標を把握することです。
あなたは、「いつまでに」、「どれくらい稼ぎたのか」明確な目標を持っていますか?
あなたの目標によって、トレードスタイルも変わってきます。
例えば、利回りという点でいうと、月利で40%目指したいなら、トレード回数を稼げないスイングトレードや長期トレードでは難しいでしょう。
しかし、月利10%を目指すなら、そこまでトレード回数が必要ありませんから、スキャルピングやデイトレードでなくても達成できる数字だと思います。
リスクを取ってガンガン取りに行く必要があるのか、それともリスクを抑えつつ安定的に収益を上げるべきなのか?目指すべき目標によって、選択すべきトレードスタイルは変わってきます。
あなたに、1年後の目標達成金額があるとすれば、月にどれくらい稼がないといけないでしょうか?
目標が定まれば、自分が持っている資金量、トレード回数、リスク量から、おのずとトレードスタイルは絞られてきます。
もちろん、今の自分のライフスタイルに合ったトレードスタイルから逆算して目標設定するのもいいでしょう。
目標にトレードスタイルを合わせるのか、トレードスタイルに目標を合わせるのかは自由ですが、いずれにしても、自分がいつまでにどれくらい利益を上げたいのか、その収益目標を把握しておくことは、とても重要なことです。
【STEP5】トレードに割ける時間を把握する

STEP5は、自分がトレードにどれくらい時間を割けるのかを把握することです。
あなたは、一日のうちどれくらいの時間をトレードにつぎ込めますか?
仮に、あなたがスキャルピングでトレードしたいとしても、1日で使える時間が30分しかないとすれば、それは無理な話です。
なぜなら、チャート分析、タイミングを計ってのエントリー&エグジットを複数回行うことは、たった30分では不可能だからです。
ただ、スイングトレードなら、チャート分析&若干のポジション調整のみですから、30分でも十分可能です。
まず、1日のうち自分がどれくらいの時間をトレードに使えるのかを把握しましょう。
それを把握する方法をご紹介します。
まずは紙とペンを用意します。そして、この紙にいつも起きる時間を一番左に、起きる時間を一番右に書いてください。
そして、その時間の間に以下の項目のような、絶対にやらなければならないタスクの時間を書き込んでください。
- 睡眠の時間
- 食事の時間
- 家事の時間
- 仕事の時間(通勤時間を含む)
それ以外の時間が、トレード可能な時間の候補となります。
実際、書き込んでもらうとわかりますが、1日のうち集中して取り組める時間というのは、案外少ないことに気付くはずです。
あなたが無理なく続けられる時間帯はどの辺でしょうか?
私は、この自分のライフスタイルに合わせて、トレードスタイルを選択することは、自分のトレーディングシステムを作るためにとても大切なことだと思っています。
なぜなら、冒頭で言ったように、トレードは継続性がとても大切だからです。人は、無理があると続けることはできません。
トレードスタイルを自分のライフスタイルに寄せて設計していく方法を私はおすすめしています。
仮に、あなたが今あまり時間をつぎ込めない。毎日1時間くらいしかトレードできないというのであれば、スイングトレードをおすすめします。
実際、私はスイングトレードです。参考までに私のトレードスタイルをご紹介します。
2.私のトレードスタイル【参考】

参考までに私のトレードスタイルをご紹介しましょう。
トレードスタイルとしては、スイングトレードになります。
月足・週足・日足でエントリーポイントと方向を定め、2時間足でエントリータイミングを計ってトレードしています。
それぞれの時間足の役割を整理するとこんな感じです。
- 月足・週足・日足 → 環境分析(狙う方向性と狙う場所を決める)
- 2時間足 → エントリータイミング
ポジションの保有期間は、おおよそ4時間〜3日ほど。
トレードする時間帯は、朝4時~5時くらいに、チャート分析、トレード戦略の立案、新規ポジション保有&ポジション調整を、夜9時30分~10時に新規ポジション保有&ポジション調整をしています。
私自身が仕事や子育てで忙しく、日中チャートを見ることができませんので、現在、このトレードスタイルでトレードしています。
特徴としては、朝にのみチャート分析&トレード戦略立案をするようにしていることです。
理由は、一日のうち最も集中でき、最も生産性が高まる時間帯に徹底的にチャート分析を行いたいからです。
朝は頭も冴えていますし、静かな環境ということで、早朝のこの時間に一気にチャート分析を済ませてしまいます。
早朝だとほとんど相場は動かないのですが、スイングトレードですので、問題ありません。
3.まとめ
さて、ここまで自分に合ったトレードスタイルを見つける5つのステップと参考までに私のトレードスタイルをご紹介してきました。
復習すると、
- 【STEP1】トレードスタイルの種類を把握する
- 【STEP2】トレードスタイルの違いを把握する
- 【STEP3】取引時間の特性を把握する
- 【STEP4】自分の目標を把握する
- 【STEP5】トレードに割ける時間を把握する
以上の5つのステップでしたね。
そして、
- スキャルピング
- デイトレード
- スイングトレード
- 長期トレード
それぞれのトレードスタイルのうち、どれが勝ちやすいというのはなくて、どう自分のスタイルにしていくのかが、とても大切なのだというお話をしてきました。
いくら強力な手法を持っていたとしても、自分のライフスタイルに合わず、トレードを続けることができなかったら意味がありません。
自分のスタイルを磨き上げ、定めたトレードルールどおりに淡々とトレードを続けていくことが、コンスタントに収益を上げるためには大切です。
トレードスタイルの特性を理解しつつ、
- 自分が目指す目標
- 自分の日々のライフスタイル
これらを自分に問いかけ、あなたなりのトレードスタイルを磨き上げてください。
この記事があなたのトレードスタイル確立のお役に立てたら幸いです。