FXを始めた9割の人が負けている・・・あなたもこんなことを聞いたことがあるかもしれません。
しかし、なぜそんなに負けに偏るのか不思議に思いませんか?
この記事では、あまり語られないそんなトレードの不思議について考えていきたいと思います。
最後まで読んでいただければ、9割が負けてしまう原因も、自らその9割に入らない方法も理解することができるでしょう。
ぜひ最後までお付き合いください。
1.トレーダーの3つのステージ
まず、お話ししたいのは、トレーダーの3つの段階の話です。絶対的なものはありませんから、一つの考え方として聞いてください。
①上級者
上級者は、プロを含めた市場参加者の10%以下の人々です。毎年利益を上げ、次の要素をすべて持ち合わせています。
- 手法・・・自分の手法を確立し、実際に機能している
- メンタルコントロール・・・トレード中に自らの精神状態を客観視できる
- ポジションサイジング・・・持つべき最適なポジションサイズを判断できる
- 判断力・・・トレード判断が早く、正確である
- 自己規律・・・トレードルールをしっかりと持ち、必ず守ることができる
- 謙虚さ・貪欲さ・・・過去のトレードを検証し、次のトレードに生かすことができる
これらをここでは「トレードスキル」と呼びます。
②中級者
中級者は、上級者の持っているトレードスキルを部分的に獲得できた人たちです。トレードの知識はありますが、なかなか結果がついてきません。
短期的に相場環境が手法とたまたま合致して勝てる時期もありますが、結局は年間を通じて負けます。もしくは、収支がトントンで資金がなかなか増えません。
とはいえ、トレードを続けていれば、いずれ欠けているスキルを身に着け、上級者の仲間入りとなります。
しかし、ほとんどの場合、そこまで資金とモチベーションが続かず、その前に市場から撤退してしまいます。
③初級者
初級者は、上級者が持っているスキルをどれも持っていません。知識もありませんから、とりあえず知識をつける段階です。
2.人間の成長曲線とブレイクアウト
上のチャートは、レンジからのブレイクアウトのチャートです。
なぜ突然このチャートを出したのかと言うと、これが人の成長曲線とよく似ているからです。
2-1 もみ合いの期間
人は何も成果が出ない期間を耐えることができません。
自分のやっていることが本当に正しいのか、間違った方向へ自分が進んでいないのか、どうしても不安になってしまうのです。
だから、すぐに目先の結果を求めがちです。これは、なにもFXだけではなく、仕事、勉強、スポーツ何でもそうです。
人の成長には、成果が出ずに、もがいている期間が絶対にあるものです。
実際の相場でもブレイクアウトはもみ合いの期間が長ければ長いほど大きいものになりますが、これはスキル習得にとっても同じことです。
長いもみ合いの期間を経て、突然ブレイクアウトが起こります。これまでの停滞がウソのように一気に成果が出始めるのです。
2-2 ブレイクアウトの3つのカギ
成長のブレイクアウトに大切なもの。
それは、
- 時間
- 資金
- モチベーション
です。
トレードと向き合う十分な期間がなければ、トレードスキルは習得できませんし、資金がなければ市場に参加することができません。モチベーションがなければ、相場と向き合う気にもならないでしょう。
いずれにしてもこの3つが十分でなければ、ブレイクアウトが起こる前にトレードをやめてしまうことになります。
いかに、これらを維持し続けるかがトレードスキル習得にとって、重要なカギとなるのです。
3.確実に成長のブレイクアウトを起こすためには
確実にブレイクアウトを起こすためには、次の3つのことを意識しましょう。
①資金を十分準備すること
FXでは、最終的にほとんどの人は資金がなくなることで撤退します。
続けていれば、いつか芽を出すチャンスはあります。資金を十分に用意すること、そして、資金は絶対に減らしてはいけないという意識を持つことが大切です。
②資金に対してポジションを十分小さくすること
まだ勝てないという時期は、いわば修業期間です。修業期間ですから、当然ポジション量は小さくするべきです。
資金を減らさない意識を持つことで、市場に残る可能性は確実に高まります。
③成長を実感すること
FXの勉強を続け、なかなか結果が出ないと、
- 所詮素人には無理なのではないか
- 本当はFXで勝つのは無理なのではないか
といった疑念が湧いてきます。
なぜ、このような疑念が生まれるのか?というと、これまでの人生で確実に見えるゴールにしか目指してこなかったからなのかもしれません。
例えば、勉強であれば、一定の範囲を勉強すれば点数が上がる。授業をしっかり聞いていれば点数がもらえる。スポーツでも同じ練習をがんばっていれば、憧れの先輩のようになれる。
- やってもやっても出口が見えない
- 周りにやっている人もいないし、うまくなっている実感も湧かない
これまで、手さぐりで何かを始め、結果を出した経験がないからこそ、先が見えない不安を強く感じるのではないでしょうか?
FXは、孤独、不安、恐怖との闘いです。
そのためにも、小さなトライ&エラーを繰り返し、それを一つ一つ潰していき、昨日よりも確実に成長していることを実感する時間をしっかりと持つことです。
4.まとめ
FXの世界に参入したばかりなら、まだあなたはレベル1の状態です。
そして、あなたが参入した世界は、自分よりもレベルが高い人たち(敵)しかいない、弱肉強食のシビアな世界。
初心者は”カモ”。被食されるために存在しているようなものです。
初心者はそんな中で、自分の資金が尽きないよう資金を守る術を学び、利益を得る術を学ばなければなりません。
市場で生き残る時間が十分にあれば、トレードスキルを習得する時間を確保できますから、生存確率はどんどん高くなります。
勝てる人は、トレードを続けることでトレードスキル習得の機会を得て、資金を守る術を学び、生存確率が高くなる。負ける人は、トレードを続けることができず、トレードスキルを身に付けることも、資金を守る術も学べないまま、簡単に撤退していく。
これが、あまり語られない「9割がトレードで負ける」の背景です。
ぜひ、あなたも1割の勝ち組に入るため、「時間」、「資金」、「モチベーション」を意識して、トレードに挑んでみてください。