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20年後あなたの会社はどうなっているか?

あなたは先行きが見えない将来に対して、漠然とした不安を抱いているかもしれません。

  • 将来、会社が潰れることはないだろうか?
  • 突然クビにされたりしないだろうか?
  • 外資に買収されて、突然社風が変わったりしないだろうか?

このようなことは、あなたも一度は考えたことがあるでしょう。

なぜ、このような不安に襲われるのか?

これは、恐らく2つの理由があって、一つは自分の能力やスキルに自信がないから。そして、もう一つは、会社の置かれている状況を客観的に見ることができていないからです。

多くの人は安定を求め、より大きな会社へ就職しようとします。私自身の就活時代を振り返ると、私もそうでしたから気持ちはとても良くわかります。小さな船よりも大きい船のほうが安定しているだろうという発想です。

就職するのであれば、ずっと同じ会社で働き続けたい。長く勤めてスキルをしっかりと磨きたいと考えるのは当然です。

しかし、たとえ今、大きい船でもずっと安泰だという保証はどこにもありません。将来大きく傾いたり、無くなってしまったりすることは会社規模に関係なく十分考えられることです。

それは、今の日本の家電メーカーを見てもらえればよく分かると思います。組織が大きくなればなるほど、社会環境が変わるとその反動も大きいのです。

重要なのは、船の大きさよりも、今後船がどのような航路で航海するのかです。

そして、それはこれまでの自分の経験と外部情報を組み合わせてみることで、ある程度予測できるものなのです。

私は、これまで個人投資家として、長期保有を目的とした株式投資を続けてきました。実は、その際に行う企業分析は、会社の将来を見定めるのにとても役に立ちます。

今回、投資家としての私の視点から、会社の将来を予測する2つの視点をご紹介します。この視点から自分の会社を考えてもらえば、将来どのような状況になるのかがぼんやりでもイメージできるようになるはずです。

そうすれば今後、今の会社でキャリア積んでいくべきか、それとも、別の業界でチャレンジするべきか、その一つの判断材料となるはずです。

では、さっそく始めていきましょう。

今の大企業ではなく、将来の大企業

大学を卒業してから会社を退職するまで約40年。会社を選ぶということは、人生の伴侶を選ぶのに等しいとても重要な選択となります。

自分の生き方、生きがいを決定付けるとても重要な選択となるのです。

しかし、その重要な決断を在学期間中のわずかな時間の中で、しかも社会経験の少ない学生自身が考え、見つけなければならなりません。

就職活動をする際、あなたはどんな基準で会社を選んだでしょうか?

私自身、情けないことに、単純に会社規模を基準に就職活動をしていました。今考えると、なんと安易だったのだろうと思いますが、その当時の私にはそのくらいの知性しかなかったのです。

今になって強く思うことは、今安定している会社ではなく、将来安定している会社に入るべきだということです。

今、会社規模が大きいとしても、将来も安定しているとは限りません。今の日本の大手家電メーカーの惨状を20年前に誰が想像できたでしょうか?

時代が変われば、市場が変わり、メインプレーヤーは変わります。今は規模が小さくても20年後には大企業になっているかもしれません。

例えば、20年前まだ小さかったソフトバンクやファーストリテイリングは、今では日本を牽引する大企業に成長しています。

もし、そんな会社に入り、会社とともに自分のスキルとキャリアを成長させることができたなら、これ以上の豊かな職業人生はないのではないでしょうか?

会社の未来を予測する2つの視点

将来に渡って、会社が安定して成長し続けるか。これをどう見極めればいいのでしょう?

会社の行く末をイメージすることは何も就活生だけではなく、今働いている私達にとっても大切なことです。なぜなら、もし今乗っているのが泥舟なのだとしたら、沈む前に次の船へと移る準備ができるからです。

ここからは、会社の将来を見極めるための2つの視点をご紹介します。

これを自分の会社の状況に当てはめて考えてもらえば、今後も大丈夫そうなのか、それともちょっと危ないのかがある程度予測を立てられるはずです。

【視点1】需要

まず、一つ目の視点が「需要」です。

会社を支える売上の需要が将来続くのかを予測するのです。5年後、10年後、20年後、30年後、その需要が続くのか、そうでないのか。今の会社の属する産業が成長産業なのか衰退産業なのか。自分なりに当たりを付けてみるのです。

需要を考える際、「人口動態」と「代替可能な技術」を考えます。

人口動態

人口動態からマーケットの需要の変化を予測するのです。ここからは、「農業」という産業を例にとって見ていきましょう。

人間にとって、食料はなくてはならないものですが、当然人口が少なくなれば需要は落ち込みます。

国立社会保障・人口問題研究所が発表している日本の将来推計人口(平成29年推計)報告書を見てみると、2015年の日本の人口は1億2,709万人ですが、2040年には1億1,092万人、2053年には9,924万人、2065年には8,808万人にまで減ると推計されています。

そのような長期的な人口減少トレンドに入っている日本に対し、逆に世界の人口は増え続け、2040年には88億人、2050年には92億人になると予測されています。

そして、この世界の人口増加に対して、世界の食料生産量が追いつかず、食料が不足することが考えられています。これを防ぐために、世界全体での食料生産量を2000年に比べ、2050年までに1.55倍まで引き上げる必要があるとされてるのです。

つまり、国内人口は落ち込み、消費量も落ちますが、国内よりもむしろ海外の需要が増えると予測できます。ですから、今後国内より海外への輸出を考えていく必要があるということがわかります。

これまでの日本の農業は、主に国内市場をターゲットとしてきました。それは、各国の規制や生鮮食品ですから輸送距離の制限があったからです。

しかし、今後は自由化が進み、輸送技術をより発展させていくことで、日本の高い生産技術力を武器に、海外の需要に応じた生産・販売を行っていく必要があると考えられます。

実は各省庁では精度の高い統計を日々取っていて、無料で公開しています。そのような統計データを活用し、自分の頭の中で組み立て、仮説を出していくのです。

統計データを集約した政府統計ポータルサイト「e-stat」(https://www.e-stat.go.jp/)が便利ですので、ぜひ覗いてみてください。

代替可能な技術

次に、代替可能な技術が今後開発されるかどうかです。

新たな技術が開発され、既存の商品・サービスが新たなものに置き換わることはよくあることです。

人は、より便利で快適なものを求めます。携帯電話が普及したことで公衆電話が無くなり、スマホが普及したことで、自宅でパソコンを使う人が少なくなりました。

技術開発によって、新たな市場が生まれ、これまであった市場が小さくなったり、消えて無くなったりします。これが繰り返されて今があるのです。

自然な時代の移り変わりとは言え、これまで商品・サービスを提供してきた業界や企業にとって、この変化は大きな脅威です。

自社の商品の脅威、敵の存在は、会社の未来を考える上で、とても重要なことです。

農業の例で言うと、スーパーフードやサプリメントなど、既存の食料の代替品が挙げられるでしょう。これらは、高い栄養価を手軽で簡単に補給することができます。

手っ取り早く何か腹に入れたいという需要を満たす「ウイダーinゼリー」のようなものも食料を作る農家にとっては敵となります。

もちろん、これら代替食品の市場規模は小さく、自然で安全、安心な国産の農畜産物を食べたいという需要はまだまだあります。

ただ、常に念頭に置かなければならないのは、人の思い描く最高のカタチに現実は近づいていくということです。

例えば、自動運転技術をイメージしてみてください。ちょっと前までロボットが運転する車に乗るなんてことはファンタジーでした。

しかし、今ではかなり現実味を帯びてきています。恐らく、数年後には確実に日本でも実用化されていることでしょう。

なぜ、こんなにも早く実用化されるのかというと、それは単に技術開発が進んだからではなく、その実現を多くの人が強く望んでいるからです。

多くの人は、車の運転を面倒だと思っています。また、一歩間違えば人を殺してしまうかもしれないという恐怖を持って運転しています。

できるなら、運転したくない。そう思う人が実際には多くいるのです。

飲酒運転、運転中のスマホ、高齢者ドライバーなど、車に関わる問題も数多くあります。昔に比べ、交通事故の死亡者数も少なくなったとはいえ、今でも年間約3,500人もの人が交通事故で亡くなっています。

一歩間違うと、人を殺してしまう。車の運転は、日常生活では考えられないほど大きなリスクを背負い込むことになるのです。

自動運転技術は、過疎地域の公共交通の問題など今ある多くの問題を解消すると期待されていて、国としても今後強く推進していくでしょう。

消費者が求める方向へ市場は必ずシフトしていきます。

モノの最高の状態、サービスをイメージしてみる。これは未来を予測するために、将来生み出される新たな市場をイメージするために、とても重要なことだと思います。

自分の思い思いの時間を過ごしながら、気付いたら勝手に目的地に着いていた。これが車の最高のカタチではないでしょうか?

例えば、これを農業という分野に置き換えて、消費者目線で考えてみましょう。消費者にとって最高の状態、サービスとは何でしょうか?

私は、お昼にスマホで野菜をタップして、その日の夕方に自宅の宅配ボックスに新鮮な野菜が配達されているのが最高のサービスではないかと思います。

消費者の買い物の手間と時間を無くし、じっくりと比較しながらスマホで買い物できるからです。もちろん、今もこれに近いサービスはいくつか存在しますが、まだまだ注文から配達までのスピードと商品バリエーションが少ないように感じます。今後もっと拡大の余地がある市場と言えるでしょう。

理想の商品・サービスの間を埋めるように企業が参画してきて、新たな商品・サービスが開発されていきます。

あなたの会社も何かしらの商品・サービスを提供しているかと思います。ぜひ次のことを考えてみてください。

その答えの方向へ、 新たな需要を満たすように市場が生まれ、これまでの市場が消え、遅かれ早かれ必ず現実は追いついてくるものなのです。

【エクササイズ】
  • あなたの会社が提供している商品・サービスは何か?
  • その商品・サービスは何を解決するものか?
  • その問題や欲求を満たす最高のカタチは何か?

【視点2】構造

二つ目の視点が「構造」です。

ここで言う「構造」とは、需要に対して企業がどのような構造で売上を上げているのかということです。

売上の背景を探ることです。これには、「法律」と「自社の強み」が深く関わっています。

法律

まずは「法律」です。

具体的に言うと、行政の「規制」と「支援」に関する法律です。これら法律が会社の売上に大きく関わっている場合があります。

規制

業界には様々な規制が存在します。規制が産業を守る役割を果たし、参入障壁となっているのです。

農業で言うと、農地の自由な売買を禁じる「農地法」があります。2009年12月、2016年4月に農地法が改正され、新たな農業の担い手として企業による農業参入が加速しています。

これまでは、農家の息子が農地を受け継ぎ、農業を続ける昔ながらの伝統がありました。しかし、時代が変わり、農業の担い手不足が深刻化しています。そこで、企業の農業への参入を促進し、農地を有効利用するために農地法の大幅に見直しがされたのです。

個人の農家にとっては、農地法の存在が参入障壁になっていました。しかし、この参入障壁は今後より低くなっていくでしょう。農業という産業構造が変わろうとしているのです。

このように、これまで規制していた法律が改正されることで、産業構造がガラリと変わることがあります。

あなたの会社が属する業界にはどんな規制があるでしょうか?

支援

行政の支援も産業構造に大きく影響を与えます。支援で一番わかりやすいのは、補助金です。農業はちょっと特殊な産業で、農業経営はほぼ国の補助金成り立っています。

例えば、農業をするためには、大規模な農業機械への投資が必要です。それを補助するための農林水産省管轄の補助金が山程あります。

これまでは、そういった補助金が普通の個人農家にも交付されてきましたが、最近では、こういった補助金の対象を大規模農家、農業法人に絞ってきていて、潮目が変わってきていると感じています。

また、補助金の種類も農地の集積化やスマート農業などの先進技術の導入などの補助金が中心となってきています。

余談になりますが、自動運転技術、ドローン技術は、今後の農業を大きく変えていくでしょう。少子高齢化による担い手不足に対して、効率化、省力化がとても相性が良く、地方が抱える課題、時代の流れとマッチしています。今後、このような先進技術を導入する法人への補助金が中心となっていくはずです。

国の意向が業界の構造に大きな変化を与えることがあります。そして、各省庁で議論されている内容や補助金の動向を注意深く見ることで、国が何を考え、どこへ向かおうとしているのかある程度予測することができます。

これらは、省庁のホームページでしっかり公開されていますから、ぜひ見てみてください。

強み

自社の強みも企業の売上に大きく影響します。例えば、特許や商標登録、著作権などの知的財産も自社の売上を支える強力な強みとなります。

海外にとっては、今も日本ブランドは健在です。日本で生産された商品は、きれいで安全な日本で徹底した安全管理がされた商品として見られますから、これは農業にとっても強力な強みとなるでしょう。

また、技術力やその地域でしか生み出されないものも参入障壁として機能します。この他、価格交渉力を含めた仕入れや販売のネットワークも独自の強みです。

農業の場合、仕入れや販売価格は農協に握られていますので、そこら辺は今後の課題になるでしょう。

あなたの会社の強みを知るために、次のことをぜひ考えてみてください。この答えがヒントになるはずです。

【エクササイズ】
  • あなたの会社が持つ特許技術、商標登録、著作権は何か?
  • あなたの会社が持つブランドは何か?そして、それは強いか?
  • あなたの会社だけが持つ独自の技術力や独自性はあるか?
  • あなたの会社には仕入れや販売のネットワークがあるか?

そして、これらを将来に渡って持ち続けることができると考えられるか?

まとめ

さて、ここまで会社の将来性を予測するための2つの視点をご紹介してきました。

需要と構造を見ることで、今後自分の会社が属する業界の先行きが明るいのか、それとも暗いのか、安定した航海を続けることができるのか、それともいつ沈んでもおかしくない泥船なのか、ある程度予測することができます。

この土台があって初めて、今の会社で思いっきりキャリアを積もうと思えるのではないでしょうか。

もちろん、あなたが分析した結果、会社の行く末が曇天模様だったとしても、落胆する必要はありません。

あくまでも予測であって、必ずしもそうなるとは限らないからです。ただ、ある程度未来予測しておくことは、準備ができるという点で何もしないよりずっとマシです。

スキル習得や転職の準備、当分の生活防衛資金をストックしておくことで、最悪の展開となっても慌てずに済むからです。

重要なのは、あなたのキャリアの目的が何なのかということです。どれだけ今の会社の業績が良くても、どれだけ将来明るい業界だったとしても、自分の働く目的と合致しない仕事であるなら、働き続けてもあなたの幸福度は下がるだけだからです。

あなたがすべきことは、自分のキャリアの目的を明確にし、どこまでもそれに沿うように選択し続けることです。

そのための一つの判断材料としての将来予測です。あなたのキャリア形成にとって何かしらヒントになれば幸いです。

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