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相場を10倍深く理解するファンダメンタル分析入門

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あなたは、ファンダメンタルをどれくらい重視してますか?

もしかして、テクニカル分析のみでトレードをしている人も多いかもしれません。

確かに、ファンダメンタル分析は、膨大な学習範囲でかつ難解・・・どこまで勉強すればいいのかわからない、、、。また、テクニカル分析と違い、「ここでエントリーすべし」と明確な行動を示してくれるようなものではありません。

それではトレード際にまったくファンダメンタルを考慮しなくてもいいのでしょうか?

そんなことは決してありません。

なぜなら、値動きは結局のところ「需給」で動いているからです。需給が為替を動かしています。

この為替を動かしている発生源を探るファンダメンタル分析は、程度の差はあれ、チャーチストでもトレード前にある程度やっておくべき基本的タスクです。

この記事では、ファンダメンタル分析の大枠を掴んでもらうことを目的に書いたものです。

一読してもらえれば、日々のニュースと為替相場がどう結びついているかを理解できるようになるはずです。

では、さっそく見て行きます。

1.ファンダメンタル分析とは

3198637 - financial blue chart stat background需給のバランスは、為替レートを決める大きな要因です。国の経済的な要因は、この需給のバランスに影響を与え、為替相場に影響を与えます。

その要因とは、経済状態を示す経済指標はもちろん、原油価格やテロ、紛争なども含まれ、外国為替の中長期的な変動要因となります。

これら要因を分析し、未来の値動きを予測することをファンダメンタル分析と言います。

2.為替相場の中心はドル

ドル紙幣

為替市場での取引では、米ドルが最も影響力があります。

ですから、市場参加者は米国の情報に敏感に反応します。例えば、米国と日本との国内総生産(GDP)の数字が同じくらい良かった場合、ドルのレートに与える影響の方が大きいので、為替レートはドル高円安に振れ、その逆であればドル安円高に振れることが多いのです。

株式市場では、全面高、全面安というように全ての銘柄が同じ方向に動くことがありますが、為替は、通貨の相対的な価値ですから、ある通貨が安くなれば必ず高くなる通貨があります。

為替でよく見られるのが、ドルに対して他の通貨が全て上がるか、もしくは下がるという動きです。これを”ドル全面安”や”ドル全面高”などと言ったりします。

FXの場合、ドル中心で考えられるので、リスク管理のために取引通貨を分散をしていても、ドル関連のポジションを多く抱えていた場合、実は分散になってなかったりするので注意が必要です。

3.実需の為替と投機の為替

45873422 - containers loading with crane or trade port at sunrise繰り返しますが、為替レートを動かす要因は需給です。

では、何が需給を決めるのかというと、人が為替取引をする”動機”にあります。この”動機”によって、為替取引は”実需”と”投機”に分けることができます。

3-1 実需の為替

為替取引が他の取引や目的に付随したものである場合、それを実需といいます。

実需で身近な例は、海外への送金や海外旅行です。自分の子供が留学していて海外へ仕送りする場合や海外旅行する場合は、円売りドル買いをします。

実需の代表的なものは、貿易、つまり輸出入です。

日本の輸出業者は、輸出の代金をドルで受け取ってそのドルを売って円に替えます。そのため、輸出が増えるとドル売り円買いが増え、ドル円レートが下がると考えるのです。

反対に輸入企業は輸入代金を支払うために円を売ってドルを買います。これにより、輸入が増えると円売りドル買いが増えて、ドル円レートが上がると考えます。

その他の実需としては、海外企業のM&Aに絡んだ為替取引も実需に分類されます。例えば、日本企業が海外企業を買収する際は、円売りドル買いが発生します。

このように為替取引が他の何かの目的のために行うものである場合、それを”実需の為替”といいます。

3-2 投機の為替

48118350_m為替取引自体を目的として行う為替取引を”投機の為替”といいます。

個人が行うFX取引や、銀行の為替ディーラーが行う為替取引は売買差益によって利益を上げることを目的として行います。いかに安く買って、高く売るか。いかに高く売って、安く買い戻すかを考え、為替取引をするのです。

3-3 投機と実需の違い

”実需”と”投機”は、動機によって何に違いが出るのかというと、それは時間的な制約です。

輸出業者は日本国内の従業員に給料を支払うため、給料日までには為替取引しなければなりません。ドル円のレートが上がるのを待ってから円転するというわけにはいかないのです。

4.投機の為替でレートが動く7つの要因

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実需の為替と投機の為替があるのは、すでに説明したとおりです。ここでは、投機の為替でレートを動かす7つの要因について考えてみましょう。

4-1 取引のフロー

為替取引の流れ(フロー)を見て、市場でドル買いが多ければドルを買い、ドル売りが多ければドルを売るという手法があります。

例えば、中央銀行の市場介入や大口のヘッジファンドの取引が市場に出た場合、その取引に追従する注文が大量に出て、これが大きな為替変動の要因となることがあります。

多くの金融機関や企業と為替取引を行う大手銀行は、顧客の取引を通してフローを見ることができますから、この手法が使われることがあります。

4-2 経済指標

各国が発表する経済指標の数字も変動要因になります。

実際には、数字そのものが注目されるというよりは、発表される数字が示す意味と市場の予想値とのギャップを、市場関係者がどう感じるかが重要になります。

4-3 金利

11545433 - flock of dollar fly awayお金は金利の低い通貨から高い通貨へ流れる性質があります。

例えば、円の金利が1%でドルの金利が3%だとすると、円で預金するよりもドルで運用したほうが有利なため、円売りドル買いが誘導されます。

金利は、磁石のようにお金を引き寄せる性質を持っています。ただ、為替は2国間の通貨の関係ですから、正確には2通貨の”金利差”が問題になります。金利差が拡大すれば、より変動要因としては強く作用します。

4-4 通貨の安全性

お金はより安全性が高い通貨へ流れる性質を持っています。

ある国で戦争や紛争が起きた場合、その国の通貨が売られ、お金はより安全な国の通貨へ逃避します。

どんなに金利を高くしても、どんなに成長性が見込めたとしても、お金はリスクを嫌います。よく、リスク回避の際には、永世中立国のスイスの通貨スイスフランが買われるのはこのためです。

4-5 経済政策

例えば、日本が規制緩和を進めて投資環境の整備に乗り出すとすれば、日本への投資が増えるだろうと予想し、円買いに繋がります。また、米国が財政赤字を縮小し、貯蓄を増やそうとしているなら、経常収支の赤字は縮小してドル買いにつながると考えられます。

政権交代、政策責任者の交代、要人発言によっても為替レートは動きます。

4-6 国際政治

37488299_m国際政治も為替レートの変動要因となり得ます。

お金はリスクを嫌い、より安全な場所へ移動します。そのため、政権与党が選挙で負けるとその国の通貨が売られる傾向にあるのですが、これは不確定要素が多いと理由からです。

ただ、与党があまりにも失政が続いていたり、野党の政策のほうが期待でき、それを国民が選挙によって選択している場合は、そうはならない場合もあります。要は、政権が安定的な政権運営ができるのかがというのがポイントになります。

4-7 チャートポイント

ファンダメンタルズ分析が経済の基礎的要素の分析によって為替レートを予想するのに対し、テクニカル分析は、過去の為替レートの傾向から未来のレートを予測する分析方法です。

テクニカル分析では、値動きのパターンや、意識される価格帯を分析しますが、この方法で出された売買ポイントを”チャートポイント”といいます。

テクニカル分析によって、多くの人が売買判断しているため、このチャートポイントも為替の変動要因となります。

5.代表的な経済指標

45607948_m経済指標は、大きな為替の変動要因です。

なぜ変動要因になるのかというと、経済指標は、各国の健康状態を示すバロメーターになるからです。実際には、数字そのものが注目されるというよりは、発表される数字が示す意味と市場の予想値とのギャップを、市場関係者がどう感じるかという所が重要になってきます。

代表的な経済指標を7つ簡単に紹介しましょう。

5-1 GDP

例えば、米国のGDPの発表があったとします。

GDPの数字が上昇したとすると、これは米国の経済が好調であることを示しています。経済成長率が上昇するということは、経済活動が活発になって、その先には金融引き締め、利上げがあると予想します。

結果、ドルが買われるためドル高に動くのです。

多くの金融機関がこの発表前までに予測数値を公表していて、いざ発表してからその予測数値よりもいいか悪いかで為替レートが変動します。

もし、上昇が期待されていれば、ドルが買われるのですが、発表されてから市場予測値と変わらなければ、為替レートが変動しないということが起きます。

これは、市場がGDPの上昇を発表前に”織り込んでいた”ということです。つまり、GDPがいい数字であると見込んで、事前にドルが買われていたのです。

逆に”織り込んでいた”にも関わらず市場の期待を裏切ったとき、大きくドルが売られることになります。このように、重要なのは事実そのものよりも、”事実と市場参加者の期待のギャップの大きさ”の方です。

5-2 失業率

2418989 - toy people seeking job employment失業者が多くなると、その国の経済が悪化していることを意味します。

つまり、企業収益や景気が悪化している、またはその見通しが強くなっていることを示し、景気を支えるため金融緩和、利下げが必要になると予想するのです。利下げはその通貨の売りになります。

逆に失業率の低下は、企業収益や景気が上向いている、またはその見通しが強くなっていることを示し、その後には金融引き締め、利上げがあると予想できるため、その国の通貨の買いとなります。

失業率は労働人口に占める完全失業率の割合です。

通常、その国の雇用状況を見る際は、失業率を見るのですが、米国の場合、”非農業部門雇用者数”の方が注目されます。これは、米国国内の雇用状況をより正確に反映していると考えられているからです。

10万人を超えると景気の先行きが楽観視されて、ドルが買われる傾向にあります。

5-3 経常収支

例えば、日本の経常収支は貿易収支などをまとめたもので、毎月発表されます。

日本の経常収支の黒字が増えると、ドルの受け取りが増え、それを円に替えるためドル売り円買いが増えることになります。

経常収支の黒字額が増加したのを見て、それを想定し、ドル円レートが下がるという流れです。逆に、経常収支が減れば、ドルの受け取りが減り、ドル売り円買いが減ると考え、ドル円レートが上がります。

5-4 消費者物価指数(CPI)

48883981_m消費者が購入するもモノの値段の変動を表す数値です。

インフレを見る時に使われる指標で、金融政策を語る際によく聞かれます。

例えば、CPIが上昇したとしましょう。これは、インフレになる可能性を示し、金融政策は引き締めの方向に動くため、金利が上昇すると考えます。金利上昇は、その通貨の買いとなります。

逆に、CPIが下落したとすればどうでしょう。金融政策は緩和の方向に動くため、金利が下落すると考え、その結果、その通貨の売りに繋がります。

5-5 小売売上高

GDPの多くを占める個人消費全体のトレンドを把握する際、注目される経済指標です。

百貨店などの小売業の売り上げをサンプル調査により推計するのですが、個人消費の動向からその国の景気の先行き予測する指標です。変動の大きい自動車部門を除いたコア部分が重要視され、特に米国の小売売上高が注目されます。

5-6 鉱工業生産

44437993 - large steel processing plant鉱業または製造業に属する鉱工業企業の生産動向を指数化したもので、企業の生産活動の状況を示す経済指標です。

一般的にに鉱工業のGDPに占める割合が高く、経済全体に及ぼす影響が大きいため、ファンダファメンタルズ分析をする上で重要な指標となっています。 また、GDPなどと比べると速報性があるため、景況感を計る指標としても重視されています。

5-7 IFO景況感指数

ドイツのIFO経済研究所が発表する企業の景況感指数です。

ドイツ国内約7000社の企業を対象にして、ドイツ経済の現況と今後6カ月の先行きについて、アンケート調査を実施し集計したものです。日本の日銀短観に相当する指標で、2000年を100として、現況と先行きを加重平均した指数となっています。

ユーロ圏で最大の経済国であるドイツの景気動向を示し、ユーロ相場を見る上で注目度は非常に高い指標です。

以上7つの代表的な経済指標を説明してきました。

これらは、一般的に重要であるとされていますが、国、時代、金融政策の方向性によって、注目される経済指標は変わってきます。結局は、指標の数値自体に意味があるわけでなく、市場参加者がその数値からその国の未来をどう想像するかです。

ファンダメンタルを考える際には、"市場が今何に注目しているのか"、"今どの指標がどういう意味で注目されているのか"を見ることがとても重要です。

6.株式投資のファンダメンタルとの違い

10545263 - stock exchange株式投資だと、ファンダメンタル面(企業の業績や財務など)が株価に与える影響が大きく、業績や財務がいい企業ほど株価が上がる傾向があります。いわば、絶対評価の世界なのです。

ですから、株式投資の場合、ファンダメンタル面をしっかりと分析する必要があります。

一方、FXでは基本的には国と国との間の相対的な関係で、為替レートが決まります。世界はグローバルで、商品、株式、指数、通貨などさまざまな市場へお金が自由に移動していて、単純な2国間だけの関係ではありません。

そのため、FXでは純粋なファンダメンタル分析のみで値動きを予測するのはほぼ不可能です。

そのような意味では、株式投資でのファンダメンタル分析とは同じファンダメンタル分析と言いつつもニュアンスが異なります。

7.情報収集

51687862_m"市場が今何に注目しているか"を把握するためには、相場についてのニュースを見ておく必要があります。

毎日のニュースを読んでいくと、なんとなく"市場のセンチメント"というのがわかってくるはずです。また、読んでよくわからない用語があったらその都度調べてみることで、知識も増えていき、相場観も洗練されていくでしょう。

8.まとめ

ファンダメンタル分析は、具体的なトレードタイミングを教えてくれるものではなく、値動きの”根本的な原因”を教えてくれるものです。

この「原因」が、エントリーするのか、しないのか、ポジションを保有し続けるのか、決済してしまうのか、これら売買判断を下す一つの判断材料になります。

テクニカル分析だけを学ぶのではなく、ファンダメンタル分析を併せて学ぶことで、より深く相場を理解できるようになるはずです。日々情報に触れ、少しずつでも知識を増やしていきましょう。

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